北原白秋は明治・大正・昭和の時代を生き、日本の近代文学史上に偉大な足跡を残した詩人です。明治18(1885)年、柳川沖端に誕生した白秋の生家北原家は造業・精米業を営む柳川でも有数の商家でした。白秋の生まれた時期はその最盛期にあたりますが、明治34年の沖端大火によって生家の大半が焼失。北原家は衰運に見舞われ、以後一家をあげて出郷します。通りに面した母屋と一つの穀倉だけが難を逃れ、昭和44年に復元され、さらに母屋に付属していた隠居部屋も平成元年に復元されました。
復元はできる限り白秋の少年時代の姿に近づけることにし、白秋の姉弟・従兄弟の記憶をもとに基本図面が作成され、それに基づいて解体・復元されました。現在は生家内に数々の遺品が展示され、1階部分は奥まで上がることができるようになっています。
白秋生家に隣接する北原白秋記念館(柳川市立歴史民俗資料館)では、白秋の詩歌の母体となった柳川の歴史民俗資料や白秋の生涯・詩業などが紹介されています。 |